コロナウィルスによる北海道の危機的状況

これまでこのブログでは富良野の自然についての、わくわくする話題を中心にお届けしてきましたが、今回のコロナウィルス感染拡大防止のために、7日、8日も学校が休校になったり、北海道知事が札幌の人は「家から出ないで」といった事態になっています。これらの対策がどうして必要なのか、根拠となるシミュレーションの一部を示してみたいと思います。科学的に考え、自分とまわりの人の行動を見直すきっかけにしてください。

 

出典は 横浜市立大学大学院データサイエンス研究科

  佐藤彰洋 (さとう・あきひろ)教授のシミュレーションです。

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まず、北海道の状況「緊急対応必須」で次のように書かれています。

北海道内において2020年3月25日頃から感染率の上昇が確認されるようになりました。感染力の強い欧州亜種が北海道内においても蔓延が2020年3月25日前後以降で始まったと見るべき結果です。第2波の影響が北海道内においても、確認されています。2020年3月25日以降の感染率は2020年3月24日以前に比べて23倍~36倍に達しています。北海道内において、2020年4月28日以降に指数関数的増幅が始まる可能性を強く懸念します。厳重に注意してください。社会的距離戦略における、直接接触頻度の減少目標値qが0.5% (2020年3月15日比) まで減少しています。大至急危険回避的な行動を取るようにしてください。 今後10日間に確認が予想される新規感染者累積から2020年4月28日現在、600名程度が感染または発症していると推計します。

北海道の1週間の外出可能時間 27.7分/週 ※東京 110分/週

国は人との接触を80%削減してください。としていますが、北海道の今の状況を好転させるためには99.5%削減して、接触頻度を0.5%、、つまり200分の1にする必要があります。これが「家から出ない」、都市封鎖並みの外出自粛を・・にあたります。

もし、道民が平常通りの生活を送った場合に、感染者数がどのようになるのかというシミュレーションが次の図です。5月2日現在790名ほどの感染者数ですが、たった1週間で2倍の1600人に増えます。もし、このように増加した場合5月16日で3000人、5月23日で6000人、5月末には1万人を超えるということもあり得ます。東京都の感染者数が4000人ほどですので、たった3週間でそれを大きく上回る可能性もあるのです。

このままならさらに悪い6月が待っている

そして、道民が人との接触を80%削減した場合の新規感染者数のシミュレーションが下の通りです。感染から発症の確認まで10日とすると、5月6日まで学校を臨時休業にするなどして、人との接触を控えていることで5月10日頃に新規感染者数が一度落ち着くものの、ゴールデンウィーク明けの7日、8日に接触が増えることで再び増加に転じて、6月にはさらに感染者が増えるというものです。簡単に言うと、北海度は80%削減では感染拡大を止められない状況まで来てしまっているということです。

東京よりも危機的状況にある

この危機感が道民にまだまだ伝わりきらない、行動が十分に変わらないことから、今日16時の緊急速報メールがあったものと思われます。報道では伝わりきらないのですが、現在の北海道(とくに札幌市および周辺)は東京よりもはるかに危機的状況にあるのです。このことを十分認識して、「不要不急の外出をしない」「人との距離を開ける」「札幌には行かない」などの注意に耳を傾け、行動してほしいと思います。

※ただし、東京は新規感染者数に対して検査数が追いつかず、感染者数の実態が把握できない状況にあり、シミュレーションも意味をなさない状況にあるようです。